#恋する海外文学

ゆとり会社員がお届けする海外文学・ビジネス書・洋書の感想ブログ。 Literary Classics and Murder-mystery Book Review from Japan ;)

ローリー・キング『女たちの闇』

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★本の情報

・ローリー・キング『女たちの闇』

・訳:山田久美子

・出版:集英社文庫

 

★あらすじ

15歳のとき、イギリスのサセックスの丘陵で、ホームズと運命的な出会いをしたメアリ。彼の薫陶を受ける一方、オックスフォード大学で神学を学んでいたが、21歳の誕生日を迎え、ホームズを男性として意識しだした彼女の心は揺れていた。ある日、親友が入信する新興宗教の集会をのぞいて、神秘的なカリスマ性をもった女性指導者に興味を抱く。しかしそこで殺人事件が発生して…。

 

★感想

 タイトルにある”シャーロックホームズ”という言葉や、あらすじからこの本は推理小説だと思っていたのですが、読み終えた今、これは哲学・ジェンダー、そんなものを含んだ、1つのジャンルにとらわれない独特な一冊だと感じています。

 

主人公メアリはオックスフォード大学の出身で、高い知力は言うまでもなく、行動力も持ち合わせた”強い女性”です。その二つが彼女の最大の武器であり、同時に周囲のある種の人たちにとっては脅威となる。上記の通り、この小説の根底にはフェミニズムが流れている気がするので、もしこの主人公が男性だったらどうだったんだろうと考えてみました。

 

事件解決のためならどこへだって行き、何だってする。小心者の私はそんねメアリを見て「無茶しなくても……。」と思ってしまいましたが、きっとそうではないところが彼女の素晴らしいところなのでしょう。

 

私は推理小説が好きでしばしば”探偵になりたい”と思うのですが、やっぱり事件にかかわるというのは危険も伴うことなのだというのを本作を読んで改めて実感しました。男性/女性だからということはあまり言いたくありませんが、メアリが途中で経験したようなことはちょっと御免こうむりたいですもんね。推理・探偵は小説の中だけで楽しむことにします◎

 

メアリやマージョリーのような強い女性が、これからの世界や未来を作っていくのだという淡い期待を胸に…。

 

※この作品の舞台はイギリスですが、作者がアメリカ出身ということで、このブログのカテゴリーは「アメリカ文学」とさせていただきました。