#恋する海外文学

ゆとり会社員がお届けする海外文学・ビジネス書・洋書の感想ブログ。 Literary Classics and Murder-mystery Book Review from Japan ;)

アガサ・クリスティー『ヒッコリー・ロードの殺人』

 

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「結局人殺しのできないやつなんていないということですか」
「わたしはしばしば、そうじゃないかと思うことがある」

 



クリスティーは本当に人間を描くのが上手だなと思わされる作品です。

 


国際色豊かな登場人物(少々差別的な表現が見られますが時代を読むと考えます…)、彼らの会話が面白いです。
それほどではないけれど、後半は各人が少しずつ疑心暗鬼になっているのかなと思ったり。

 

 

今作は、whodunit(誰が犯人か?)よりも whydunit(なぜ殺人を犯したのか?)という方に面白さを感じました。
物語の真ん中あたりで、ポアロの推理から少し推測できてしまう部分はあるのですが、そう単純には終わりませんでした。

 

 

この『ヒッコリー・ロードの殺人』はポアロものですが、正直ポアロは遠くから見ている感じです。特に後半は。
ポアロの秘書のミス・レモンがこれほどフィーチャーされるお話も少ないのでは?と思い楽しめました。
シャープ警部が頑張ってくれます。彼のコミュニケーション能力には感心しますね(あの学生たちの鼻にかけたような話し方によく耐えたなと笑)。

 

賛否両論…というより好き嫌いがはっきり分かれそうな今作ですが、私はクリスティーらしいかなとも思ったりします。
とある学生寮の単なる盗難事件・・・かと思いきやそこからどんどん物語が発展していって…。

名作ぞろいのクリスティー作品の中では少し地味目かと思いますが、ぜひ読んでみてください♪