#恋する海外文学

ゆとり会社員がお届けする海外文学・ビジネス書・洋書の感想ブログ。 Literary Classics and Murder-mystery Book Review from Japan ;)

アントニー・バークリー『毒入りチョコレート事件』

 

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「それじゃあ」とブラッドレー氏がいった。「みんなで、彼の推理の間違いを教えてあげますかな?」

 
 
名著、アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』を読みました。海外ミステリー好きを自称しておいて読んでいなかったのが恥ずかしいですが、なるほど名作と呼ばれる理由が十分に分かりました^^読み終わった後、思わず「おもしろかった~~~!」と口に出してしまいました(笑)読み終わった直後の私の読了ツイート↓からもその興奮の様子がお分かりいただけるかと思います(笑)
 
 

 
本作は色々なサイトで”海外ミステリーの入門、初級、初めに読む本”などと紹介されることが多いですが、私は結構中級者向けなのでは?と思いました。犯罪研究会(この名前もすごいです)の6人のメンバーがある1つの事件に対して各々推理を披露していくのですが、どれもが本格的(この研究会に入るのは大変だそうです。。ので当然かな)だからです。
 
今書いたように、この本ではある事件に対して6人が調査し、一人ずつ披露していくのですが、この6人の考え方、手法、性格、そして導き出した答えの違いがとても面白いです。6人もいるので、きっと誰かは同じように考えるのでは?なんて高を括っていたのですが、見事に全員違いました。
十人十色なので、読んでいる自分が誰に近いか考えたりするのもまた一興ではないでしょうか^^私は、みんなの推理を表にまとめたチタウィック氏が好きでした(まあ彼は推理披露の順番が最後というアドバンテージがありますが)。
 
自分も推理しながら読んでいたのですが、研究会のメンバーが推理したものに近いかなという部分もあれば、まったく自分では思いつかないような推理をする人もいて、本当に刺激的でした!
 
多くの推理小説は、探偵の数が1、2人です。もちろん例外はありますが、6人というのは少ないのではないでしょうか。たとえ出てくる探偵が1人であったとしても、事件を多角的にみるというのはとても大事なことなんじゃないかなあと思います。
 
これからも沢山の推理小説を読みたいと思っていますが、自分が推理する中で、行き詰ったらこの本を見返してみようかなと。この個性的なメンバーの頭の中から、何かヒントが得られるような気がします。
 
私は警察ではありませんからよく分かりませんが、現実でも事件を早く解決することばかりに重きが置かれ、十分な調査がなされないまま終わってしまうケースもあるのではないでしょうか。この小説は、そんな現実に、当たり前だと思っていることをもう一度疑い、諦めずに考えることを教えてくれているのでは、なんてことを考えました。そういった意味では、シチュエーションこそ違いますが、『12人の怒れる男たち』にも通じるものがあるのかも、しれません。
 
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