#恋する海外文学

ゆとり会社員がお届けする海外文学・ビジネス書・洋書の感想ブログ。 Literary Classics and Murder-mystery Book Review from Japan ;)

エラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』

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★本の情報

エラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』

・訳:越前敏弥・国弘喜美代

・出版:角川文庫

 

★あらすじ

オランダ記念病院の見学席から手術を見守るエラリーの前に運ばれてきた患者。だが、シーツをめくると彼女は絞殺されていた。被害者は病院の創設者である大富豪。目撃証言から、犯行が可能だったのは執刀医だけに思われたが、彼は何者かが自分に変装したと主張する。その言葉通り、犯行に使われたと思われる一足の靴が見つかるが、様様な不審点があり…。エラリーの論理と分析が冴えわたる「国名シリーズ」第3弾。

 

★感想

クイーンの小説は、『中途の家』に続いて2冊目なのですが、今回も「これ、絶対犯人わかったじゃん!」と思ってしまったんですよね…。これは私に推理力があるとかではなく、クイーンが証拠となるものをすべて読者に提示しているということなんですよね。後の祭り!

 

初めは登場人物の多さにびっくりしたのですが、読み進めていくと、クイーンの筆力もあると思いますが、結構物語が整理されているので、登場人物がごちゃごちゃになることはあまりありませんでした。

 

推理小説のいいところは、考える楽しさにあると思うのですが、この小説はそれを十分に味わえる一冊です。私の大好きな間取り図もありました^^いろんなヒントが散りばめられており、その意味、を考えるのが大切だと思いました。そして、考えることが大事と言っておきながら少し変かもしれませんが、「直感」も大事だなと。シンプルに考える、というか。違和感のあるものが出てきたりしたとして、そのとき最初に感じたこと、これをやっぱり消してはいけないのではないかと。

 

この小説の犯人はとっても優秀で考えたことを実行に移す行動力も勇気も持ち合わせていて、そして何より怖がるということを知らない。本番に強い、っていう言葉が良いのかどうかわかりませんが、着実にある冷静さをもって遂行していってしまうところが恐ろしいです。

 

いや~でもこれ、実際に起きたらきっと国中を震撼させますよね…。とっても楽しめましたが、やっぱり小説の中だけであってほしいかなと思います^^