#恋する海外文学

ゆとり会社員がお届けする海外文学・ビジネス書・洋書の感想ブログ。 Literary Classics and Murder-mystery Book Review from Japan ;)

アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』

f:id:hellosleepy:20180504105226j:plain

 

岩波文庫の『モンテ・クリスト伯』全七巻、読み終わりました^^

せっかくなので、まとめての感想を書きたいと思います!

 

*全七巻、壮大な復讐劇*

読み始めは、全部で7巻という長さに驚きましたが、主人公(エドモン・ダンテス=モンテ・クリスト伯)の目的は復讐することであり、そのシンプルな軸を保ったまま物語が進むので、不思議と長さは感じず、読みやすかったです。

 

モンテ・クリスト伯という人物*

ダンテスがモンテ・クリスト伯になった瞬間から物語の終わりまで、彼は非常に意志を強く持ったなあと思いました。物語後半で出てくる「大きな苦しみを味わった者だけが、大きな楽しみを得ることができる」(?)という表現が彼という人物をよく表しているのだと感じました。

じっと時機を見計らい、その時がきたら大胆に行動する、ここぞという時に人を陥れる能力は、まるで週刊誌みたいだなと……(笑)

 

*特に印象に残った場面*

全7巻を通して、私が印象にのこった場面は以下の3つです。

①牢獄で出会ったファリア司祭との別れのシーン

▶この司祭との出会い、交わした言葉がモンテ・クリスト伯という人物を作ったのだと思います。

 

②アルベール(フェルナンとメルセデスの子ども)との決闘のシーン

▶アルベールは勇気ある決断をしたのだと思います。受け入れがたかった父の恥ずかしい過去、それを明らかにした敵とも言えるモンテ・クリスト伯との結党。しかしその伯爵の行動の真意を理解したとき、彼は決闘の場面であのような決断をしたのでしょう。

 

メルセデスやマクシミリヤンとの会話のシーン

▶この二人だけが、伯爵が心を開いて本心で話せた人物なのではないでしょうか。普段は冷静な伯爵ですが、感情をむき出しにしたとき、彼の本心が見えた気がします。

 

*人をよく見る、よく知る*

伯爵のとった復讐の方法は実に様々でした。カドルッス、フェルナン、ヴィルフォール、そしてダングラール。伯爵ならば彼ら本人を殺してしまうこともできたのだと思いますが、そうではなく、その人にとって何が一番堪えるか(=その人にとって一番大切なものは何か)をよく見てよく知っていたのだと思います。

その人のことをよく知るというのは、苦しみも伴うのだと思います。例えばフェルナンの場合、メルセデスが結婚したという伯爵にとっては非常につらい現実を直視しなければなりませんでした。ですがその苦しみを乗り越えたからこそ、一番良い方法で彼に復讐できたのだと思います。

復讐されないように生きたいものです。一度虐げられた者の恨みは、長く続くのだから。